ハーマンモデル(HBDI)とは?
人と人の違いを理解できる考え方として、企業でも導入されているもので有名なものとしてMBTI(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)や、DiSC理論などがありますが、海外を中心にこれらとよく比較される考え方として、ハーマンモデル(HBDI/ハーマン脳優位調査)があります。
https://en.wikipedia.org/wiki/Herrmann_Brain_Dominance_Instrument(英語版Wikipediaサイト)
ハーマンモデルは、1980年代にアメリカのGE社(General Electric)の経営研究所長として在籍していたネッド・ハーマン博士が、大脳生理学の研究成果を基に完成させた評価ツールとその活用理論です。
50を超える博士論文でその有効性が確認されており、欧米を中心として200万人以上の利用実績、有名企業(GE、IBM、コカ・コーラ、キヤノン、マイクロソフト、旭硝子、資生堂等)でも数多くの利用実績があります。
MBTIが人の性格、DiSCが人の行動傾向を知ることにフォーカスしているのに対し、ハーマンモデルは人の”思考のクセ”を知ることにフォーカスしています。
ハーマンモデルは、人の手に右利き/左利きがあるように、人の思考特性(無意識での脳の使い方)にもクセがあり、それを教育・仕事・キャリア・組織づくりに活かせないかと考えて作り上げられた理論です。
ハーマンモデルでわかること
ハーマンモデルでは右脳(論理的)⇔左脳(直感的)/大脳新皮質(人間の脳・認知的)⇔大脳辺縁系(哺乳類の脳・情動的)の2軸により、脳をA、B、C、Dと4つの部位(タイプ)に分けて、それぞれが異なる機能を担っていると考えます。
Aタイプ 論理・理性脳
Bタイプ 堅実・計画脳
Cタイプ 感覚・友好脳
Dタイプ 冒険・創造脳
4つのタイプに優劣はなく、人が思考するときに、4つの象限のどこを使うクセがあるのかを示しています。
例えば、「お金」に対して、それぞれどのように考えるかというと
Aタイプ 「お金を合理的に使いつつ増やすには?一番良い運用方法を考えたい。」
Bタイプ 「お金が減るのはとにかく不安。給与天引などでコツコツ貯めてして安心したい…」
Cタイプ 「お金は誰かと仲良くするために使いたい。ついついおごっちゃうかも?」
Dタイプ 「お金は楽しく使うためにある。貯めておくなんて考えられない!」
このように同じことに対しても、それぞれ考えることが違いますし、この思考特性の違いが一人一人の強み(と弱み)のベースになってきます。
ハーマンモデルが社内の共通言語になると得られること
ハーマンモデルが社内の共通言語として定着してゆくと、自分と他者の思考特性の違いを理解して仕事やコミュニケーションに活かせるメンバーが増えるため、以下のようなことが得られます。
人材力の強化
・自分の強み(と弱み)を踏まえた仕事のやり方が理解できるため、生産性とモチベーションが高まります。
・自分の強みに磨きをかけるために必要な知識とスキル、仕事のあり方、キャリアについて考えやすくなります。
組織力の強化
・組織目標達成のための役割(適所)に対し、有効なメンバー(適材)の選択や配置が考えやすくなります。
・チームメンバーが、互いの強みで弱みをカバーし合えるようになるため、弱みを無効化できる組織になってゆきます。
関係力の強化
・自分と他者の違いに配慮した意思疎通ができるようになるため、相手に伝えたいことが伝わりやすくなります。
・自分と他者の違いを受け入れられるようになるため、苦手と感じていた人とでも人間関係が良くなってゆきます。
「効き脳診断(利き脳診断)」を組織開発・人材育成に活用している理由
当社ではこのハーマンモデルをベースにつくられた「効き脳診断(利き脳診断)BRAIN」(以下、効き脳診断)というツールを組織開発や人材育成に活用しております。
診断結果のシートには以下の情報が記載されます。
上段(1⃣~4⃣)… 診断結果に基づいた思考特性
下段(5⃣~8⃣)… 4つの視点からの診断分析
世の中には個人特性を診断する様々なツールがありますが、当社が効き脳診断を活用している理由は以下のとおりです。
・思考特性の違いによるコミュニケーション上の留意点がわかるため、個人間はもちろん、チーム内での意思疎通がしやすい。
・成果目的型のチームビルディング(業績・生産性向上、イノベーション促進)を行う際に、創造的な意思決定を行いやすい。
・4タイプ(ABCD)を分ける2つの軸(右脳/左脳、大脳新皮質/辺縁系皮質)が科学的であるため、イメージや理解がしやすい。
・タイプは4つと数が少なく複雑すぎないため、それぞれの特性や違いを憶えやすいため、社内の共通言語としても、実務でも活用しやすい
・タイプは4つだけだが、それぞれが数値の高低(レーダーチャート)で表現されるため、細かな多様性の差もイメージしやすい。
・診断結果の合計点数は誰でも200点満点であり、人の優劣や思考の良し悪しを示すものではないという考え方であること。
・思考特性は一生変わらないものではなく、先天3割/後天7割とされており、環境やトレーニングで人は変わる(変われる)という考え方であること。
こうしたことから、個人にとっては、コミュニケーション力の向上、磨きたい強みの強化、キャリア開発がしやすいツールだと考えております。
また、組織にとっては、採用や適材配置の判断材料、個々の弱みを強みでカバーし合える組織づくりがしやすいツールだと考えております。
つまり、”診断して終わり”ではなく、組織開発や人材育成はもちろん、プライベートにおいても、様々な活用シーンがある実践的なツールだと考えております。
留意点
どんな診断もそうですが、この効き脳診断だけで人のすべてがわかるとは考えておりません。
人と人の違いを多面的に理解していただくためには、他の診断ツールなどを併用いただくことも良いと思います。
何よりも重要なのは、何事にも先入観を持ちすぎずに、日々の対話を継続的に行っていただくことであると考えております。
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